「地域に必要とされる会社」を目指して -障がいを個性に変え、共に社会を支える仲間へ-
「一人ひとりの自立を支える福祉の心を大切にしながら、同時に、一企業として価値を生み出したい。障がいのある方が『社会を支える大切な一員』として、誇りを持って働ける場所を広げていきたいんです」
福島県郡山市に拠点を置く「株式会社かるみあ」。
社名の由来となったカルミアという花には、「大きな希望」「さわやかな笑顔」という花言葉がある。
常務の車田さんは、かつて人材派遣業界で働いていた。
そこで目にしたのは、障がいを持つ方々が「一人の社員」として生き生きと、プロ意識を持って働く姿。
その光景に深く心を動かされ、「福島にも、誰もが当たり前に挑戦できる場所を作ろう」と決意し、今の事業を立ち上げた。
【原点】困難を乗り越え、地域と築いた「信頼」の絆
─異業種からの参入ということで、最初は手探りのスタートだったそうですね。
はい。実績も何もないゼロからの出発でした。
まずは自分たちができることから始めようと、地元の企業様や郵便局様へ一軒ずつ足を運び、名刺作成などの細かなお仕事をお受けすることから信頼を積み上げてきました。
特に忘れられないのは、2019年の台風19号による浸水被害です。
事業所が大きな被害を受け、一時は途方に暮れましたが、そんな時に手を差し伸べてくださったのは、日頃からお付き合いのあった地域の方々やパートナー企業様でした。「かるみあを失くしてはいけない」という温かい励ましに支えられ、何とか再建することができたんです。
自分たちだけで頑張るのではなく、地域の方々と手を取り合い、助け合って仕事を形にする。あの経験があるからこそ、私たちは「どんな仕事も必ず誰かの役に立ち、誰かと繋がっている」と、確信を持って利用者様に伝えることができます。
【理念】「地域に必要とされる会社」として、共に生きる社会の一員へ
─経営理念に込めた想いと、具体的な支援のこだわりを教えてください。
私たちの理念は
「福祉ビジネスを通して、地域に必要とされる会社を創ります」
というものです。
単に支援を行うだけでなく、地域社会に貢献する一企業でありたいと考えています。
そのために大切にしているのが、障がいのある方を「サービスを受ける側」としてだけでなく、「共に生きる社会の一員」に変えていくという考え方です。
その第一歩として取り組んでいるのが、自分自身の「取扱説明書(トリセツ)」を一緒に作ること。
ご自身が「何が得意で、どんな時にサポートが必要か」を客観的に知ることは、社会に出てから長く、安定して働き続けるための大きな「武器」になります。自分に合った働き方を見つけ、社会に必要とされる。その喜びを、一人でも多くの方に実感してほしいと願っています。
【チーム】「思いは熱く、判断は早く」みんなが安心できる環境。
─スタッフの皆さんの自主性を大切にされているそうですね。
私個人の指針として「思いは熱く、でも判断は理屈を通し、スピーディーに」ということを大切にしています。
現場の運営については、利用者様に最も近いリーダーやスタッフをプロとして信頼し、任せています。
相談を受けたときは、保留にせずその場ですぐに答えを出すようにしています。意思決定を早くすることで現場に安心感が生まれ、スタッフがのびのびと新しいことに挑戦できるからです。
また、スタッフ自身の笑顔も大切にしたいので「18時完全退社」を徹底しています。自分たちの生活が充実し、心にゆとりがあるからこそ、利用者様にも本当に温かいサポートができると考えています。
【展望】「かるみあ」の希望を、次なる場所へ。
─今後の目標や、これから加わる仲間へのメッセージをお願いします。
現在は郡山市と須賀川市を中心に活動していますが、将来的にはいわき市や茨城県方面など、私たちのサポートを必要としているより広い地域へ展開していきたいと考えています。
そのため、経験以上に「誰かのために動くことが楽しい」と思える、素直な意欲を持った仲間を募集しています。特に、これから事業所を牽引していくリーダー候補や、マネジメントを通じてキャリアアップを目指したいという意欲的な方の力も必要としています。
利用者様の「昨日までできなかったことができるようになった!」という変化を、自分のことのように喜べる方。そんな方と一緒に、これからの「かるみあ」を創っていけるのを、とても楽しみにしています。
【メッセージ】つながりを力に、新しい福祉の選択肢を。
─最後に、地域社会への想いをお聞かせください。
私は、何よりも「つながり」が大切だと考えています。
私たちの活動は多くの人に助けられていますし、逆に私たちの仕事が誰かの助けになることもあります。この温かな循環を地域全体に広げていきたいんです。
今後は、地元の学校や他職種の事業者様、そして行政ともさらに深く連携していきたいと考えています。「産官学」が手を取り合うことで、障がいのある方が地域社会の中で当たり前に名前が上がり、一つの確かな選択肢として存在できる社会を目指します。高齢者福祉や介護の現場、地元の一般企業など、業界の垣根を越えて協力し合える関係を築いていきたいですね。
「株式会社かるみあ」という名前の通り、地域のみなさんにとっての「希望」となれるよう、これからも一歩ずつ、誠実さと情熱を持って挑戦を続けてまいります。
車田常務とお話しして心に残ったのは、理念である「地域に必要とされる会社」を、日々の清掃活動や利用者様一人ひとりの「トリセツ作り」という具体的な行動で体現されている姿。「社会の一員として生きる」という言葉が、単なる理想ではなく、安定して働くための確かな技術として伝えられている。
熱い理想を持ちながらも、経営は非常に論理的でクリーン。そのバランスの良さが、かるみあ様の「さわやかな笑顔」を生む土壌になっているのだと確信した。
企業情報
福島県郡山市昭和二丁目19-11
